大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大津地方裁判所 昭和51年(わ)62号 判決

本店所在地

滋賀県長浜市室町二六八番地

法人の名称

田中紙業合資会社

右代表者の氏名

田中茂雄

本籍及び住居

同市神照町四四一番地

会社役員

田中茂雄

昭和九年九月五日生

出席検察官

宮森正昭

主文

被告人田中紙業合資会社を罰金一、四〇〇万円に、被告人田中茂雄を懲役一〇月に処する。

被告人田中に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社は、滋賀県長浜市室町二六八番地に本店を置き、段ボールの製造、販売等を目的とする出資金九〇〇万円の合資会社であり、被告人田中茂雄は、右会社の代表社員として同会社の業務全般を統括しているものであるが、同被告人は、同会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一、昭和四七年二月一日から同四八年一月三一日までの事業年度における所得金額が二九、九二一、六三三円で、これに対する法人税額が一〇、五一六、六〇〇円であるにもかかわらず、売上の一部を除外しあるいは架空仕入を計上する等の不正な方法により所得を秘匿したうえ、昭和四八年三月三一日長浜市高田町九番三号所在の長浜税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三、二五六、一三三円で、これに対する法人税額が七六九、九〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額九、七四六、七〇〇円を免れた

第二、昭和四八年二月一日から同四九年一月三一日までの事業年度における所得金額が一〇四、二九二、二三八円で、これに対する法人税額が三七、七五七、四〇〇円であるにもかかわらず、前同様の不正な方法により所得を秘匿したうえ、昭和四九年三月三〇日前記長浜税務署において、同税務署長に対し、所得金額が三、七七二、六七三円で、これに対する法人税額が九七一、八〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額三六、七八五、六〇〇円を免れた

第三、昭和四九年二月一日から同五〇年一月三一日までの事業年度における所得金額が七九、三五一、一〇三円で、これに対する法人税額が三〇、四八二、八〇〇円であるにもかかわらず、前同様の不正な方法により所得を秘匿したうえ、昭和五〇年三月三一日、前記長浜税務署において、同税務署長に対し、所得金額が四、一五七、八六二円で、これに対する法人税額が七二六、二〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により右事業年度の法人税額二九、七五六、六〇〇円を免れた

ものである。

(証拠の標目)

一、第一回公判調書中の証拠関係カードの検察官請求証拠目録(一)に記載の請求番号1ないし30、32ないし37、39、40、43ないし46、同目録(二)に記載の請求番号1ないし11と同一であるからこれを引用する。

一、被告人田中の当公判廷における供述

(法令の適用)

一、罰条 判示各所為につき、法人税法一五九条一項、二項、一六四条一項

一、刑の選択(被告人田中につき) 判示各罪につき、いずれも所定刑中懲役刑を選択

一、併合罪の加重 刑法四五条前段、被告会社に対し、同法四八条二項、被告人田中に対し、同法四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第二の罪の刑に法定の加重)

一、被告人田中に対する刑の執行猶予 同法二五条一項一号

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 坂詰幸次郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例